さんま物語

女川のさんま屋の翁が お客様に感謝の気持ちをこめて 魚屋の目線で綴ります。

さんま物語 4

早や8月、さんまの季節がやって来ました。今回はさんま漁獲の規制についてお話をして見たいと思います。 

 

現在さんま漁獲国は台湾、韓国、中国、日本が主です。 

世界の海は他国が入れない自国の領海内と誰でも自由に漁獲出来る公海とに分かれております。

 

現在公海でのさんま漁は、日本の我々が10年前から叫んでいた資源保護のための操業規制について、ようやくアメリカ合衆国を初めとした7ヵ国によって話し合いが行われております。

昨今 テレビのニュース等でご存知のように台湾船が公海で漁獲を始めております。

 

日本でも水産庁が 5月から調査船でさんまの状況を調べております。 

それによりますと5月頃は例年ぐらいの数量だったのが、6~7月に入ってからは台風の影響もあって数も少なく、小型魚が多く見られたそうです。 

 

今年の日本のさんま漁の刺し網漁は もう始まっており、漁獲は低調、そのためか釧路魚市場では大型魚1匹2千円もしたそうです。

棒受け漁 の10t 未満船は8月1日、20t未満船は8月10日から、大型船は8月15日からです。

 

皆様もよくご存知の様に、さんまは8月~9月頃まではロシア海域で 餌を食べ大きくなっている最中です。

そこで日本はロシアにお金を支払い、お願いをして その期間ロシア領海内で漁獲をしている訳ですが、現在日本とロシアの関係は政治的にあまり良いとは言えず、ロシア領海で漁獲する鮭鱒が今年は例年の30%、来年は0ですよ と通告されました。

 

さんまもご多分にもれず大型船548t、中型船203t、小型船186tと 昨年の約半分ぐらいの数量に規制されました。

 

さらに懸念されるのは、ロシア海域で漁獲した魚を日本に持ち帰る時にロシア海域と日本海域との境界線にロシアのチェックポイントがあり、そこで検疫を受ける訳ですが、それが相当厳しくなる様だとの情報です。

 それに加えて、今年の日本国内での漁獲規制が昨年の 35万tから26万tと9万tも減になりました。

 

 今年のさんまをとりまくの状況は、このように非常に厳しい見方になっておりまが、私どもがこの度の大震災の時の教訓 

   “不安を自分で勝手にふくらませない。やってみないとわからないよ” 

の精神で、いつもどおり お客様皆様方に安心・安全・最高の鮮度のさんまを出来る限り安くお届けしたいと思っております。

 

                       文責:ワイケイ水産㈱ 会長 木村 喜一